梅と桜

とまりぎ

2013.06.20

2月下旬 小田急線は梅ヶ丘駅に4人が集まった。酒豪氏が前日より下痢、嘔吐で急遽不参加となった。駅のすぐ近くに羽根木公園がある。上北沢のS氏の案内で歩く。天気は雲り空だがうっすらとした日差しもあって暖かい。人出は多い。ちょうど第36回せたがや梅まつりなのだ。この公園は京王井の頭線と小田急線、環状7号に囲まれた住宅街の中にある丘陵地の一画にある。梅の木は約650本(紅梅約230本、白梅約420本)あり、品種は紅梅合わせて60種以上とのこと。このひらけた街中に、これだけの緑地が残されてきたことに感謝しなければならない。“飛梅(とびうめ)”という紅白一対の木があった。飛梅とは菅原道真にまつわる梅の伝説に登場する梅の木で、平成7年に大宰府天満宮より寄贈されたとのこと。今年は寒さが続きまだ5~6分咲きというところだった。ここでメンバーの2人がそれぞれ旧知の人とばったり出会った。梅を観賞後、北沢川緑道から環七の歩道橋を越え、小田急線沿いに世田谷代田駅を通り下北沢駅に向かう。下北沢駅南口の近くにS氏が予約してあった居酒屋“雷や”で乾杯。美味しい野菜が売りとのことだがそれ以外の料理も美味しかった。そこをほどほどに終え、さらに駅周辺の商店街をめぐって、老舗中華屋 江戸ラーメン“珉亭(みんてい)”の2階に上がった。大部屋で長テーブルに胡坐をかくと、やけに落ち着く。沢山の有名人の色紙が飾られていた。酒、老酒、紹興酒、ビール、焼酎と少しずつ味わったあと支那そばで〆る。下北沢駅は3月1日から東北沢駅、世田谷代田駅とともに地下駅になるとのことで踏切からの眺めや駅舎を目に焼き付け解散した。駅が地下化することで商店街の賑わいと雰囲気が変わらないことを祈る。

3月末 京王線は聖蹟桜ヶ丘駅に5人が集まった。酒豪氏が梅見に参加できなかったため、それではということで花見となった。ここもS氏の案内だ。昼を済ませバスで都立桜ヶ丘公園の記念館口に降りた。ここは広大な多摩丘陵地帯だ。桜が有名な公園でヤマザクラやソメイヨシノが約300本、ほかに雑木林の保全を中心に整備されてきたとのこと。曇り空で、おまけに寒気が来ているとのこと予想外の寒さだ。(梅見の時の方がよっぽど暖かかった) 満開とはいえ色は冴えない。桜をみながら大松山の頂にある旧多摩聖蹟記念館に向かう。明治天皇が行幸したことを記念して1930年に建てられたもので、円形の建物の中央には堂々たる明治天皇の騎馬像。他に常設展示(この時は水戸藩士展)、ギャラリー、植物写真展示、喫茶があり、公園を訪れた人々の憩いの場として運営されている。見学後大きな桜の下で花見酒、テーブルと椅子もあるものの寒くて座っておられず立飲みだ。人出も閑散、早々に切り上げ山を下った。旧鎌倉街道から乞田川(こったがわ)沿いの桜並木を行く。住宅街を歩くうちとつぜん懐かしい里山風景に出会う、ふたたび住宅街を行き、S氏行き付けの小料理屋“お多福”で温まる。煮物が大変おいしかった。聖蹟桜ヶ丘駅は近い。