とまりぎ
2007.5.3
高尾山から陣馬山までのスタンプハイクが、京王電鉄グループで毎年春と秋に企画されている。スタンプは12ヶ所においてあって、これをすべて廻らねばならないし、うっかりすると、気が付かずに通過してしまうこともある。たとえば、琵琶滝もスタンプポイントになっているので、高尾山頂から陣馬へ向ってしまうと抜けてしまう。
4月の休日、スタンプにあまりこだわらずに歩いてみることにした。ケーブルカーは乗らずに、順当に高尾山口駅から一号路を上る。急坂で息が切れ、晴れて暑く汗が噴出す。なんとかケーブルカーの山頂駅にたどりつく。ここからはしばらく平坦な道だ。見通しの良いところから八王子の街の向こうに、新宿のビルがぼんやりと見える。薬王院の境内へ入り、階段を上るとその裏が山頂へ続くコースになっている。
久しぶりの山頂には、多くの客が富士をさがしている。丹沢の向こうに頭を雲に隠したそれらしき形が見える。ここで早めの昼食。さらに先へ行ってみようかとも思ったが、久しぶりのことであるから、無理をせず下山することにした。といっても同じ道を通るのは面白くないから、ケーブルカーの山頂駅付近から琵琶滝へ急角度に降りる。琵琶滝のスタンプを考えてのことだ。
駅まで見覚えのある道を後ろからの陽にあたりながら歩く。五つのポイントだけでクイズに回答できる企画もあるので、駅備え付けのポストヘ答えの葉書を入れる。その翌日、さらには翌々日にも若干の筋肉痛を感じ、歩きを無理しなくてよかったといったところだ。
一週間後、今度は陣馬へ行ってみようと、藤野駅からバスで終点の和田へ入る。ここから陣馬山の頂上へ直接登る。谷間の和田の集落は、ちょうど桜の季節で、晴れてもいるせいか華やかな色に染まって気分がいい。登山道は細いが、土の道で歩きやすい。
陣馬山は頭が丸く、頂上付近が急坂で、階段状のみちを上がると、またしても大汗が出る。ちょっと下には桜もあって満開だが、上には木はあまり生えてなく、芝のような草に覆われていて、陣馬高原との名に納得する。店が数軒あり、うどん、そばがある。和田峠はすぐ下になるので見えないが、その方向の先に生藤山と、それに連なる峰が高く見える。
帰りは、最初のポイント、明王峠へ向う。「とまりぎ」の旅でもここから降りて栃谷の温泉へ入ったところだ。さらにしばらく歩くうちに空は曇りだし、ひょっとすると雨になるかもしれないので、標識に従い左手の陣馬高原下バス停へ向う。小一時間でバス停へ着くと、バスは出たばかりで一時間後。それではしばらく歩いてみようと夕焼け小焼けまで。ここでバスを待つ。
急行バスが来て、乗ってしばらくすると雷雨。半時ほどで高尾駅に着いたが、まだ降っている。駅前の蕎麦屋へ入り、熱燗をいただく。周りをみると登山客ばかり、やはり思い思いにやっているという酒場状態。それをのぞいた若い女性客が、逃げるようにあわてて出て行く。
スタンプハイクが始まって何年になるのか、駅のパンフレットを見たのがきっかけで久しぶりに登ったのだが、昔よりも登山道は整備され歩きやすく、再度別のコースを挑戦する気になった。