とまりぎ
2006.12.22
いつも通り高尾駅に5人が集まり、ふたつ先の藤野駅前からタクシーにのる。道志川沿いにある一軒宿の七滝温泉が目的地である。14年程前の春に道志温泉は日野出屋に泊まったが七滝温泉はその途中にある。道志川の両国橋を渡り月夜野の少し先で降りる。ここから宿まで道志みち(国道413号)を歩く。ちなみに両国橋を越えると神奈川県から山梨県となる。しばらくして月夜野キャンプ場入口に通じるわき道に入り昼食休憩をとる。日本酒を酌み交わす。天気も良く12月の中頃にしては暖かく気持ちがよい。道志川をはさんだ対岸は裏丹沢の山々で、やや遠くに檜洞丸、大室山が眺められる。ゆっくりと過ごす。埼玉県は野田と蓮田の酒が空いた。
とまりぎの仲間は皆同期入社であり何かと集まった。山にも行くようになり丹沢にはよく行ったものだ。特に檜洞丸は、3月の連休を利用した山行で蛭ヶ岳あたりから雪に会い、やむなく泊った山でもあり思い出深い。檜洞丸と大室山の間の峠、犬越路も忘れられない。橋本駅からバスに乗り三ヶ木で乗換えて東野に入り、神ノ川林道を歩いて神ノ川ヒュッテ(今は無い)に泊まり翌日犬越路を越えたこともあった。25年以上も前のことである。
大渡(おおわた)の集落に入ると道路わきの空き地で湧水を汲んでいる人々がいた。そこに小ぶりな土産物屋があって豚汁を頼む。止まっている軽トラックの荷台を見ると鹿が血を流して横たわっていた。久保の吊り橋が目につき休みかたがた渡る。この先の道は大室山にも通じており、上のほうから声が聞こえ猟銃をかついだ5人が降りてきた。国道のトンネルを巻くように旧道を行き大室橋で外れて国道をくぐるとまもなく七滝荘が見えた。予定通り3時ごろに到着した。
七滝荘は道志川が大きくカーブした内側にあり対岸から山がせりあがっている。その高いところに七滝が眺められ、宿のおかみさんによると七段の滝だそうだが上のほうは隠れており、七段目はよく見える。錦秋の七滝はみものとのこと。一休みしたあと宿の主人に車で雌滝、雄滝の近くまで送ってもらい、滝を見て薄暗くなりかけた道をふらふらと宿にもどる。夕食の前に温泉に入る。浴場の説明書きによると《ふるさと創生"道志の湯"七滝荘》 《平成3年3月掘削、地下660m、25.5℃》 《泉質 ナトリウム・カルシウム硫酸塩冷鉱泉》 《1kg中の陽イオン ナトリウム 615mg、カルシウム464mg 陰イオン 硫酸2,365mg》 《適応 神経痛、筋肉痛、関節痛、運動マヒ、五十肩・・・》と結構良質と思われる。夕食には岩魚の骨酒で乾杯、珍しい鹿の骨付きカルビなるものを噛みしめる。時期はずれのこともありほかに客はいない。
翌日は9時半にタクシーを呼び、"藤野やまなみ温泉"に10時前に到着。藤野町営の日帰り湯である。一時間ほど温泉を楽しみ、缶ビールで喉を潤す。この温泉は《泉質:ナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉 アルカリ性・低張性温泉 泉温:41.8℃ PH:9.33》適応は七滝温泉とほぼ同じであった。昼のバスで藤野駅にもどり、相模湖駅で降りる。とまりぎの旅に何度か立寄っていた駅前の食堂"角屋"に忘年会ということで数年振りに訪れてみたが、この春に改装されており昭和の雰囲気が消えてしまっていた。それでもあいかわらず中高年の山やハイキング帰りのグループが跡を絶たないようだ。