番外篇(北茨城)

とまりぎ

2006.12.22

11月の東京都異業種交流の研修旅行は、北茨城にあるオイルフィルターを生産している工場の見学会になった。参加者はノロウィルス感染によるひともいて、過去に例のない5人という少人数であった。

朝、東京駅八重洲口から常磐ハワイアンズと提携している宿がその日の宿泊になっていたため、ハワイアンズの絵が描かれたバスが何台もあるうちの一台へ乗った。目的地が常磐道の中郷SAから近いため、ここで下車。天候は晴て暖かい。電話連絡をとって、工場長が車で迎えにきてくれた。
 オイルに関係する製品を、関東に分散した各工場と中国で生産しているうちのひとつの工場である。そこには工場建物が三棟あり、オイルフィルターのほかにはオイルクーラーも生産していて、ロボットによる自動化と、女性によるフィルター部の手作業が特徴的であった。
 隅から隅まで見せていただいて、会員であるその社の会長が当日不参加になったため、今夜の宿へ工場長も参加宿泊することになり、夕方車で海岸へ向い目的の山海館へ送っていただいた。JR磯原駅からそう遠くないところの太平洋へ突き出した場所にある、高級そうなところだ。早速、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉の温泉へ入る。メタケイ酸も多く、湯がなめらかな感じだ。露天風呂のすぐ下には海が迫っていて、波の音が聞こえる。

6人が湯上りで、宴会場へ入る。予約しておいたコンパニオンが二人。

会員からの差し入れの焼酎が5本もあり、鮟鱇づくしの料理をいただく。唐揚げと鍋は鮟鱇の特徴をよく出している。追加注文のキンキの煮付けもあり、雑炊までで満腹状態、コンパニオン分の予算もあることとて、カラオケへ向う。6人だけの貸切状態のため、予約するとすぐに歌えるから、ネタが尽きて解散となる。外へ出ても何もないところだから部屋へ戻って寝る。
 翌朝早く起きると晴。また露天風呂へ向う。しばらくすると東の海の向こうが明るくなって、遠くの低く海の上にある暗い雲の上から朝日が頭を出し、ゆっくりと上がった。風もなく、波の音がよく聞こえる。太平洋へ面した露天風呂から日の出を見るなどということは、はじめての体験である。
工場長が職場へ向うため先に出て、さらにひとりが東京へ向ってしまうと、予定通りハワイアンズへ行くことになっている人たち3人を残して、駅へ送ってもらい電車に乗った。運転してくれた宿のひとの話では、東京からそう遠くない場所で、伊豆箱根方面へ行くより良いという客もいるとのことだった。歓楽街もなく、静かなところがお好みのひとにはよさそうだ。

後日、ハワイアンズへ行った人たちの話では、ゆっくりしたのだが時間をもてあましたようで、予定より早く出て湯本で昼食後帰京したとのことだった。