中野 章
2006.2.9
団塊の世代が大量に定年退職を始める2007年まで後1年である。
そこで熟練工、熟練技術者によって蓄積された技能・技術が失われるとの危惧の声が上がっている。
そこで若手への技能継承の手段として熟練工の腕と知恵と感をデータベース化しておこうという計画がある。
新聞報道によると経済産業省は 2006年度予算でこのためのソフト開発費17億円を要求。
独立行政法人産業技術総合研究所が中心になり、鋳物、溶接、旋盤加工、メッキ及びレーザー溶接の5種類のソフトを開発し。この成果を業界団体を通じて中小企業に配布するというものである。
素人考えでは一見良さそうに見えるが、このソフトが果たしてどこまで匠の技を再現出来るか?
疑問を感じざるを得ない。例えば数ミクロンの表面凹凸を指でなぞるだけで検出できる名人がいるそうだ。これは極端な例だとしても。
或る程度の時間をかけざるを得まい。匠が長い習練の時間をかけて今の腕を磨いたように。