中野 章
2003.1.13
メキシコのあるファミリのクリスマス・パーティに招待された。
キリスト教国(今回の場合はカソリック)のファミリ・クリスマスの情景は映画等では見聞きしてはいたが現実の場面に立ち会うのは初めての経験で、宗教心の薄い小生にとってもいかなる情景が展開されるのか興味津々たるものがあった。
親類同士の5家族と日本からの私、家内と家内の友人2人を含めて大人、子供総勢20名の大層にぎやかなイブとなった。居間の中央に飾られたクリスマスツリーの根元に大小、形さまざまのプレゼントがうずたかく積まれている。
パーティは子供たちが自分の靴半足をツリーの下に置き、大慌てでどこかに隠れるしぐさからを始まった。子供たちが隠れ終わると今度は大人たちが、これまた大慌てで隠しておいたプレゼントをそれぞれの靴の上に置く。置き終わると「モーいいよ」?と掛け声をかける。
途端に隠れ潜んでいた子供達が一斉に「ワァー」と叫びながら飛び出て、じぶんの靴の上にあるプレゼントにタックルする。
包み紙をもどかしげに引き破り、中身が予ねてサンタに頼んでいた物、欲しかった物とわかると、今度はそれを抱きかかえて親たちに突進しキスの大サービスである。
さて次は個々のプレゼントの交換となる。年下の子供がうずたかく積まれたプレゼント包みを次から次えと年長の子に渡し年長の子は包みに書かれた「誰から誰」と読み上げる。別の子がそれを目的の人に渡す。もらった人は早速に中身をご披露し、みんなから祝福の拍手を浴び、お使い番の子とキスの交換をする。
この「誰から誰」が全員に亘るので時間のかかることおびただしい。
食卓の上に鎮座している七面鳥を横目で睨みながらこいつに何時ありつけるのかと気をもみながらも終わりは来るにはきた。
その時はすでに深夜12時が過ぎようとしており食事はこれから始まる。
この家族たちはごく平凡な庶民なので、このクリスマス風景はカソリック国の家族の一般的なものだろうと納得している。佳き思い出を蘇えらせてくれたイチローに感謝。