柿崎 純一郎
2003.11.22
若者、それも女性に温泉が人気だそうですが、そうでなくとも我々日本人は昔から温泉好きです。いまどきめずらしいと言われることがありますが、私の会社では創立から20数年来、社員旅行が続いています。毎年、宿は温泉地が選ばれることが多く、今年は福島県浜通りのいわき温泉。夕方・夜中・朝と定番の一泊3回を楽しみました。ぬるめの湯がけっこう熱く、あつめの湯は一分と入っていられないほど熱かったのにはびっくりでしたが。ここの湯元は源泉が58~60度C、毎分5トンの湧出量をほこり、温度湯量ともに全国でもまれな規模です。お湯が熱かったのは源泉が高温であるためでした。
松田忠徳(列島縦断2500湯などの著者・札幌国際大学教授)という温泉博士によれば、温泉もナマもので空気に触れる前の源泉が一番新鮮で効能があるとのことです。温泉につかる場合は、なるべく湯口近くの誰の体にも触れていない新鮮なお湯につかれと説きますが、いわき温泉ばかりはそうもいきませんでした。
例のふるさと創生1億円あたりが契機になり、日帰り温泉が各地にできました。安近短で手ごろとは言っても、温泉はやっぱり、温泉地の宿でゆっくり、湯上りに仲間や家族と一杯が最高。その日のうちに服を着て自宅へ帰る、というのは気分がでません。従ってこうした温泉は敬遠していたのですが、近頃見直しました‥‥。
きっかけは先の松田先生の話です。ジャグジーやジェットバスには入るなといいます。マッサージのつもりで、あれば入ったりしていましたが、あれは言わば体の自動洗浄機で、水流によって体のよごれやアカを流し落とすために欧米人が考えたものだとのことです。お湯を全部入れ替えるならいざ知らず、共同で入るものではないらしいのです。知らないことは恐ろしい。いままで、先に入った人たちのそうしたアカよごれにつかっていたわけです。
これを聞いてから、ゴルフ場の浴槽には入れなくなりました。ゴルフ場のお風呂にはほぼ例外なく、大きな浴槽中にジェットが設けられています。替わりに日帰り温泉を利用するようになったというわけです。多くのゴルフ場で、近くに日帰り温泉を探すことができます。車ですから湯上りに一杯も必要ありません。帰ってから飲む楽しみもあって、日帰り温泉もなかなかです。
この8月、昭島に湯楽の里という日帰り温泉ができました。昭島は会社のある立川と自宅のあるあきる野市の途中にあります。夜10時までやっているそうですから、今度は、ゴルフ帰りでなく、会社帰りに寄ってみようかと思っています。