今が好き♪
2000.12.22
「道路構造令」という、道路建設時の設計基準を定めた政令が変わろうとしています。骨子は、今後新設する、主として都市部の道路に関しては、歩道と自転車道の併設を義務づけ、あわせて路面電車の走行にも配慮するというものです。今まで自動車優先であった道路行政を改め、遅まきながら歩行者、自転車、路面電車やバスなどの公共交通を重視するよう方向転換することになりました。植樹帯を設置し、環境面も改善して、高齢者・障害者・幼児にもやさしい道路の実現が期待されます。
さて、自転車道ですが、わが国にはサイクリングロードなどと呼ばれる自転車に乗ること自体を目的とした道路が河川敷・堤防・公園内など数多く設置されていますが、買い物・通勤通学など実生活で安全に利用できる道路はわずかです。自転車は車道の左端を走ることができます。スポーツ車で高速走行する場合は車道を利用しますが、排水帯と車道のすきま、格子状の排水溝蓋、ごみなどの堆積物の回避のため、交通量の多い道路では気を緩めることができません。そのため都市部では、「自転車歩道通行可」標識を設け自転車に歩道を開放しています。
従って、歩道が設置されている道路では、自転車は路面標識で歩道上を走るよう誘導されます。しかしながら新設される歩道の多くは見た目の良い石畳かレンガ敷きが多く、自転車が通行できるスペースが十分あっても路面は歩道と同じです。こちらも、自転車で走ってみれば分ることですが、石畳やレンガ敷きでは継ぎ目のすき間のため乗り心地がすこぶる悪く、タイヤの細いスポーツ車には最悪で、エネルギー効率上も自転車走行には適しません。
ヨーロッパでは歩道共用でも自転車側は平面舗装されていて快適です。地方自治体や建設省のお役人は欧州視察研修会と称して公費で旅行をしますが、今まで足元を見てこなかったのでしょうか。冒頭の新[道路構造令]は建設省(国土交通省)で改正作業をすすめ、道路審議会に報告したのち、明年3月に閣議決定する予定です。これで自転車道もいくらか改善されることでしょう。