リサイクル法

今が好き♪

2000.4.4

この4月から容器包装リサイクル法が完全実施された。「容器包装に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」というのがこの法律の正式名称。例によって、リサイクル法などと略して呼ばれ、通常正式名が使われる事はまずない。法律名からしてゴミのような言葉で包装されているのだ。盗聴法は「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」といった具合で、大方の法律名がこんな調子である。どうせ使われない、長い名称をつけるくらいなら、なぜ、最初から簡便な分かりやすい名称にしておかないのか不思議だ。

さて、既に表題の法律により、平成9年4月から、びん・缶・紙パック・ペットボトルがリサイクル対象品として分別収集されていて、駅、スーパー、高速道路などのゴミ箱がこれらの材料ごとに備えられたり、町のゴミ収集もこれに合わせて分別されるようになった。今回は、施行が残っていたダンボール・紙容器包装・プラスチック容器包装が対象に加わる。
家庭ゴミに関し、消費者・市町村・事業者(包装材や容器を造ったり、使ったりした業者)のそれぞれがゴミの減量とリサイクルに参画し、資源と環境の保全を計ろうというものである。家庭などからでる一般ゴミは年間5000万トン。包装材と容器類でゴミ全体の容積で60%、重量で2、30%という。実際、夕食の支度が終わってみると、プラスチックトレイ、ビニール袋、ラップなど食品の包装や容器で「燃やしてはいけない」類いのゴミがあきれるほど大量にでる。食品にかぎらず、すべて保存・保管、輸送、陳列、みばえなどのために、作る側・売る側の都合でなされた包装で、ゴミとして捨てる側・処理する側の身になっていない。

現状でゴミのリサイクル率は10%と言われているが、古紙やペットボトルなど分別収集したまでは良いが、処理コストや処理能力の問題で実際には野積みされたまで手付かずという例が多く、分別から再商品化まで処理システムのアンバランスが目立つ。従って10%はリサイクル率というより、収集率と言った方が妥当だろう。
食品包装に限れば、スーパーマーケットに押されて衰退してしまった町のお店屋さんの方が優れていた。なべで豆腐・こんにゃくを買い、一升瓶を持ち込んで醤油・酒を入れてもらい、肉・コロッケは経木に、魚・野菜は新聞紙につつんで手さげ籠(なつかしぃ~)に入れて家庭に持ち帰ったのである。処理すべきゴミなどなんにも無し。売る方も買う方も手間はかかったが、この間、お互いに会話があり人情がかよう買い物だった。味もこういった包装の方がおいしかったのではないかと思う

近頃、デパートの地下食品売り場やスーパーで、酒・米・ハム一枚・きゅうり一本など量売りを始めたところが増えているというが、分別ゴミを出さないよう、包装にも気を遣ってもらいたい。ゴミとなってしまったあとの分別・リサイクルを法律で規定するより、作る側・売る側に、包装が不要な作り方・売り方、ゴミを極力出さない方法など、ゴミ減量への真剣な取り組みを促すことが先決だ。

買ったあとの手間か、買う時の手間か、ゴミを出さないためにはどちらを選ぶか、答えは明白なのだが‥‥。