今が好き♪
2000.1.5
ミラノでは大聖堂(ドゥオーモ)へ歩いて行ける「ジョリーホテルプレジデント」に宿泊。このドゥオーモとオペラ劇場のスカラ座を結ぶアーケードの草分け、ビットリオ・エマヌエレ2世アーケード、ファッションの街を象徴するブランド店通りのモンテ・ナポレオーネ通りとスピーガ通りなどが市内観光の定番。スカラ座は内装外壁とも全面改修中で見学不可、ドゥオーモも最近外周部の汚れ落としがやっと終了し、現在は正面中央と周辺の歩道が改修中でした。国のあちこちに残るこのような歴史的建造物の維持・補修はヨーロッパ各国で頭の痛い問題だということです。
今回の都市訪問で一番に感じたことは、このミラノの大聖堂、ノートルダム寺院、ルーブル美術館など、建造物の重厚壮大さ、細部にわたる装飾・彫刻のみごとさです。わが国を代表する文化建築物の東照宮も東大寺もかすんでしまいます。掛けた人・物・金・時間が文字どおり桁違い。ミラノ中央駅、パリ・リヨン駅、元駅舎のオルセー美術館など、鉄道の駅ですら荘厳堂々。米国やアジアでは感じませんでしたが、日本が島国であったことを思い知らされました。
さて、通りで、靴42万5千リラだのネクタイ5万9千リラだのを買いました。円をリラに替えると15倍にもなりリッチな気分。日本ではデノミで100円を1円にしてしまう案がありますが、私は反対です。これでは新卒者の月給は2000円になってしまいます。やるなら逆デノミ、1円を100円にするとあまりにも馬鹿ばかしいので、10円にして月給200万円ではどうでしょう。リラに近づきます。
それとも、円はそのままにして、江戸時代の両を復活させると言う案はどうでしょう。100円を1両としてこれを基軸通貨とします。ほぼ1両が1ドルあるいは1ユーロになりますから互角の単位です。その上、円そのものの価値は変わりませんから、円を使うかぎり、貨幣も今まで通り有効、デノミ後も混乱はおきません。新卒者の給料、20万円は2000両とも言い換えられ、これはそうとうリッチな気分です。
ところで、工場見学もしました。ミラノの北、スイス国境近くにバレーゼという別荘地があり、ここに日本では無名ですがイタリア第一の配電器材メーカー「ベティチーノ社」があります。国内シェア60%、年商6.6億ユーロ(700億円)、従業員3300名という大企業でした。見学した工場は清潔そのもの、プレスや樹脂の射出成形機が並んでいましたが天井から座布団のようなものが一面に吊り下げられ、吸音クッションだとのことです。どうりで、日本の同種の工場より静かでした。近頃はやりのSCM(サプライチェーンマネジメント)にも力を入れており、経営革新の最中といったところです。見学後、昼食をごちそうになりました。これがなかなか、同行した現地ガイドがほめるほどうまかったパスタ料理。社員食堂なのにビールとワイン自由とはさすがでした。もちろんそのあとは濃厚なエスプレッソを堪能。ここの従業員は幸せです。