今が好き♪
1999.2.1
毎年どころか毎月と言った感じで談合のニュースが新聞に載る。今や、DANGOはKARAOKEと並び著名な国際語である。道路・港湾・施設建設・防衛関連など大きな公共工事や設備購入の指名入札では我が国を代表する大企業が公正取引委員会や検察庁に談合容疑で摘発されている。高速道路、郵便区分機、関西空港等々いつでもいくつか思いつく。昨年10月には地方自治体が発注する大型のごみ焼却炉の入札で、重工・重機の大手5社がなんと18年間にわたって談合を繰り返していたとして公取委の審査を受けた。また、つい最近では、やはり地方自治体に納入する水道管に関し、トップ3社で20年間以上もシェア取り決めのやみカルテルを結んでいたことが発覚、独占禁止法違反に問われている。
我が国では、500万円のコンピュータから100億円の工事まで、国と地方自治体とを問わず、公共事業は全国津々浦々全てが談合で落札されると極論する評論家もいるくらいだ。
競争する心配もなく、しかも一般の価格よりもずっと高い水準で各社横並び、指名された企業のみが平均して仕事にありつこうと言う仕掛けだ。税金を使う事業だから余計に腹が立つ。本来、最安値での発注を目指した制度だったが、業者全員が相談し合っての入札では安かろうはずがない。頼みの外国企業は指名入札制度と複雑怪奇な規制にはばまれた上、天下りが約束された役人の審査ではたまらない、完全に締め出しである。おかげで、日本の建設コストは世界一。土建国家と言われるゆえんである。
若者の競争心やガッツの無さを非難する資格は大人達にもなさそうである。
毎年、談合が摘発されていながら行政内に改善しようとする兆しが全く見えない不思議な談合風土。こんな体質に近年、世界貿易機構(WTO)により公正な一般競争入札を求める政府調達勧告がだされるなど、例によって外圧が強くなってきている。やっと永年の官民癒着、もたれあい構造にメスが入れられるけはいはでてきているのだが‥‥。